前野悟志 デザインコンクリートの世界2
「デザインコンクリート」 ってなんだろう?
前回に引き続き、I.D.L COMPANYの施工部隊でもあるSIXWORKZの前野さんにデザインコンクリートの世界を教えてもらうべく、竜ちゃんと村松さんでSIXWORKZの巣窟・般若倉庫に潜入してきました!職人の前野さんが次々と織り成していく造形物は、リアルでとにかくかっこいい。塗装が剥げたレンガや削れた木材を再現したものからオリジナルデザインの造形まで、幅広い技術と抜群のセンスが溢れるデザインコンクリートの数々。もうこれは完全にアートです。どうやら今日は、そんなデザコンのパネルサンプルを作るようです!早速のぞき見しましょう!!
前回の記事(1)を読む
新しく4つのパターンを制作!
前野さん
今日は、前回(前野悟志 デザインコンクリートの世界1)のアップグレードバージョンを作っていきます!
竜ちゃん
今バケツに入れてるのってなんですか?
前野さん
これはね、ホワイトのモルタルだよ。
竜ちゃん
これが前回教えていただいた、ホワイトのモルタルですね!!
村松さん
今回は分厚くいきましょう!
前野さん
そうですね、分厚く盛っていきます。
そして、造形のテーマは「阿部寛」でいきます。
村松さん
竜ちゃん
?
前野さん
深く彫りこみを入れるっていうことね!!!!!!
竜ちゃん
当たり前だけど、ホワイトは目地まで真っ白だ!しかも前回と比べるとすごい分厚い!!!
前野さん
うん前回は厚さ1.5cmで今回は3cmだからね〜
村松さん
その鏝(コテ)で厚さを図る方法、お好み焼きに火が通っているか確認するのと同じですね。
竜ちゃん
プロだ。
前野さん
最初のモルタルを塗りつけする段階で、造形をイメージしながら厚みを盛っていきます。
村松さん
あっ前野さん、ここもう少し深めに切り込・・・・
前野さん
早い!早い!指示早い!まだ下地だから!(笑)
竜ちゃん
これドロドロのところに指突っ込んでもいいですか?(うずうず)
前野さん
全然いいよ
竜ちゃん
うわー!!気持ちいい!美味しそう!!
村松さん
そのまま口に運んだらダメですよ。
竜ちゃん
(生クリームみたい)(我慢)
前野さん
よし!塗り付けができたので4つとも乾き待ちです〜。
~乾かすこと30分~
前野さん
乾いて良い感じの硬さになったので、上からエイジングのスタンプを押していきます。
ガタンッ!!!!!!!!
前野さん
村松さん
竜ちゃん
うわーーーーーーーー!!!え!?嘘!?!!?
机の天板が真っ二つ
前野さん
まじで!?こんなことある!?
村松さん
竜ちゃん
(大笑い)
-お片付け&立て直し-
前野さん
あ〜びっくりした。。さあ気を取り直して、続きやっていきます!(笑)
竜ちゃん
今回の4つは、どうアップグレードさせるんですか?
前野さん
前回よりも厚いので、この厚みを生かしてより立体的にリアルにすることで差を出します!
村松さん
やっぱりこれだけ厚いとだいぶ深く切り込み入りますね。
竜ちゃん
ほんとだ、木のリアルさがすごい!!!!!
前野さん
本物の木は腐るから、門柱や枕木とか外構で木を使いたい場合は「まるで木のデザインコンクリート」がおすすめ!
いざ!細やかな仕上げ作業へ
前野さん
今回は、より細かな部分の造形に拘っていこう。
竜ちゃん
前回と違いを出すには、造形後の着色でもこだわっていかないとですね!
前野さん
そうですね。
ここの切り込みを深くして・・・ここは穴を足して・・もっと削って・・・・・(黙々)
村松さん
めちゃくちゃ良い感じです!凹凸が凄いですね~
前野さん
よし!これで一旦乾き待ちです。
村松さん
分厚くて、乾ききるのに時間かかりそうなのでお昼にしましょう。
リアルな質感にするための着色
竜ちゃん
これモルタル自体が白色ですけど、その上からシーラー塗りますか?
前野さん
塗ろうかな〜
竜ちゃん
白色の上に塗る意味あるんですか?
前野さん
シーラーを塗ると塗料の膜ができるからモルタルが塗料を吸い込まなくて発色が良くなるんだよね
竜ちゃん
逆に塗らない時はどういう時なんですか?
前野さん
アメリカ西部とかの乾燥した地域のイメージで作るときは塗らないです!
カラッとした感じ。まあ感覚的な話になっちゃうんだけどね…
竜ちゃん
で、出た…感覚…
-乾かすこと20分-
前野さん
前回は1色塗りだったので、今回は2色塗りでいきます。
竜ちゃん
木から行くんですね
前野さん
最初に色が思い付いたので!深い理由はないですよ笑
竜ちゃん
全部に意味ありそうなのでついつい。
お、黄色ですか?
前野さん
前回はこげ茶一色だったんですが、今回は一層目に黄色を仕込んでみます。
こっちの溶岩は一層目に茶色を。
竜ちゃん
塗装の時に考えることはあるんですか?ここは剥がれやすいから色を薄くしようとか。
前野さん
うーん、目地はいつもしっかりめに塗って、あとは全体のバランスが1番大事なのでそれを考えますね。造形で凹凸が既にでてるので着色でも濃い薄いをやるとやり過ぎになって、わざとらしくなっちゃうんですよ。
竜ちゃん
なるほど〜嘘っぽくなってしまうんですね。
前野さん
トラバーチンは色味をそれぞれ変えてみようかな。
竜ちゃん
それ良いと思います!
「シンプルよりも面白みを持たせたい!」という方にぴったりですね
前野さん
ツートンも良いよね〜
竜ちゃん
これ全然違う色がはみ出まくっても良いんじゃないですか?面白みがあって
前野さん
あ〜〜〜、いやそれは違うな。
竜ちゃん
笑(ふざけすぎた)
-乾かし中-
前野さん
乾いたので2色目も重ねていきますかー!
竜ちゃん
おお!いっちゃいますか。
2色重ねるときのポイントは何かあります?
前野さん
例えば、木はベースの黄色と今塗った茶色が混ざり合うとよくある木のカラーになって、逆にベースにグレー系を入れておくと、火に当たって焼けた木の感じになる。
こんな感じで、表現したい雰囲気に合わせてベースの色を考えるのがポイントかな。
竜ちゃん
今回は、カラカラではなく生存確認ができる木でいくんですね!
前野さん
はい。木といえば!という感じでいきます。
竜ちゃん
おおー!めっちゃ良い感じです!!色重ねるとよりリアルでいいですねー!
前野さん
こんな感じで、他もどんどん進めていきますね。
-2色目着色・グレーズ(1話参照)中-
前野さん
4つともグレーズまでできました!どうでしょうか?いいんじゃないでしょうか!
竜ちゃん
凄いです!!!かっこいいーーー!
・・・でも正直、このトラバーチン、僕はグレーズする前の方が好きでした。
前野さん
・・・ほ・・・ほんとに・・・?(ショボン)
竜ちゃん
(前野さん落ち込ませちゃった)
前野さん
やり直します・・・・・・か・・・?
竜ちゃん
いや、これはそのままで大丈夫です!
好みの問題だと思うので、結婚式場とか綺麗め派の方はグレースを無しにするとかでやっていくのがいいんじゃないでしょうか?
前野さん
そうですね。
グレースはエイジング技法なのでこれからも基本的には入れていって、場合によって有り無し合わせます。竜ちゃんに言われて、こういう意見もあるんだな、と勉強になりました!ありがとう。
竜ちゃん
こちらこそありがとうございました!なんだか感謝されちゃいました。
今日もとても楽しかったです!
前野さん
また第三弾もよろしくね~!
今日はお疲れ様!ありがとうございました。
-つづく-